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【10/25最新】店舗のプリペイドカードの仕組み「Value Card」に不正アクセス、カード番号・PIN・残高142万件が流出|モスカードを持っている人と導入企業がやること

公開:10/25 21:10更新 (日本時間)Webセキュリティ診断センター 編集部約11分で読めます
【10/25最新】店舗のプリペイドカードの仕組み「Value Card」に不正アクセス、カード番号・PIN・残高142万件が流出|モスカードを持っている人と導入企業がやること
#不正アクセス#情報漏えい#Value Card#モスカード#プリペイドカード
この記事の要点(確認時刻:2026年10月25日 21:10ごろ)
  • 株式会社バリューデザイン(ペイクラウドホールディングスの子会社)が、店舗や企業に提供しているハウス電子マネー発行サービス「Value Card」のサーバーが第三者に不正アクセスされ、管理していた情報の一部が外部へ流出しました。流出の確認日は10月19日です。
  • 流出したのはID番号・PIN番号・残高情報の1,424,748件(発行済ID 569,224件、未発行ID 855,524件)です。親会社の発表では、個人情報は「該当なし」とされています。
  • 原因は「子会社のシステムの一部の環境において、Webサーバーの脆弱性を第三者に悪用されたもの」と発表されています。PHPという言葉は、この発表に出てきません。
  • 導入企業のうち公表を確認できたのはモスフードサービス(モスカード)です。モスカード番号・PIN番号・残高情報の113万3,070件が流出し、該当するカードのPINを強制的に変更しました。
  • カードを持っている人は、利用履歴に覚えのない引き去りがないかを確かめてください。カード番号やPINを入力させるメール・SMSのリンクは開かないでください。

ほかの不正アクセス・情報漏えいは → 不正アクセス・情報漏えい チェッカー(サービス名で検索できます)

10月のほかの不正アクセス・情報漏えいは → 2026年10月の不正アクセス・情報漏えい 国内まとめ

この記事は、ペイクラウドホールディングスの適時開示、バリューデザインのお知らせ、モスフードサービスの発表をもとに、分かっていることと分かっていないことを分けてまとめたものです。報道や他社の分析を使うところは「報道」と書いています。続報が出たら更新します。

最新情報(随時更新)

何が起きたか

「Value Card」は、店舗や企業が自社の名前でプリペイドカード(チャージして使うカード。ハウス電子マネーとも言います)を出すための仕組みです。カードの番号や残高はバリューデザインのサーバーで管理されていて、店舗はこの仕組みを借りてカードを発行しています。

ペイクラウドホールディングスの発表によると、このValue Cardのサーバーが第三者に不正アクセスされ、管理していた情報の一部が外部へ流出しました[ペイクラウドHD 適時開示(PDF)]。発表の主な内容は次のとおりです。

項目発表の内容
確認日10月19日
内容ID番号、PIN番号及び残高情報の流出
件数1,424,748件(内訳:発行済ID 569,224件、未発行ID 855,524件)。未発行IDは「最終ユーザーが購入する前のID」
個人情報該当なし
利用者への影響発行済IDについて不正利用のおそれがあったが、対処済(不正利用による実被害はない)。対処にあたり、一部の利用で不便が出る場合がある
対応判明後、すぐに不正アクセスの経路を遮断し、被害の拡大を防ぐ措置を実施。関係機関に報告済
原因「子会社のシステムの一部の環境において、Webサーバーの脆弱性を第三者に悪用されたもの」
今後外部の専門機関と連携して全サービスの脆弱な箇所を再点検し、セキュリティ管理体制を強化する。攻撃に関する情報は導入企業・関係機関と共有する

どのWebサーバーの、どんな脆弱性だったのかは書かれていません。この記事でも推測では書きません。

時系列

日付できごと出典
10月14日〜18日バリューデザインが、モスカードの管理システムへの不審なアクセスや不正ログインの試みを検知。すぐにアクセスの遮断などの緊急措置をとり、調査したところ「外部プログラムを用いた不正アクセス」で一部のモスカード番号・PIN番号・残高情報が流出したことを確認モスフードサービス(PDF)
10月19日Value Cardの情報流出を確認(確認日)ペイクラウドHD(PDF)
10月22日バリューデザインが、10月21日に公表されたPHPの脆弱性への予防として「アララ キャッシュレス」と「オンラインチャージサービス」を一時停止。「バリューカードASPサービスは稼働しております」と説明(今回の不正アクセスとの関係は書かれていない)バリューデザイン
10月22日モスバーガーも、PHPの脆弱性への対応として、公式アプリ内のdアカウントコネクト連携と「モスカードWebチャージ」を一時停止モスバーガー
10月23日ペイクラウドホールディングスが適時開示。バリューデザインがお知らせを掲載。モスフードサービスが適時開示とお客さま向けのお知らせを掲載バリューデザイン・モスバーガー

漏れた情報

情報状態補足
ID番号(カード番号)流出モスカードの場合は16桁のカード番号
PIN番号流出モスカードの場合は6桁。モスフードサービスは該当カードのPINを強制的に変更した
残高情報流出
氏名・住所・電話番号・クレジットカード情報含まれていないペイクラウドHDは個人情報「該当なし」、モスフードサービスも「お客様の氏名、住所、電話番号、クレジットカード情報等の個人情報は含まれておりません」としている

名前や住所がなくても、カード番号とPINがそろうと、Webでの残高照会やネット注文などで使える場合があります。モスフードサービスは、PINの強制変更を「不正利用防止の観点から」行ったと説明しています。

流出した142万件のうち半分以上は「未発行ID」、つまりお店でまだ売られていないカードの番号です。モスカードでも、流出分のうち約56万件は「未流通カード」とされています。

影響を公表した店舗・サービスの一覧

導入企業の公式ページを開いて確かめたものだけを載せています(10月25日 21:10ごろ時点)。Value Cardは多くの店舗や企業で使われていますが、導入していることと、今回の流出の対象になったことは別です。公表を確認できた企業から足していきます。

店舗・サービス公表日件数内容出典
モスフードサービス(プリペイドカード「モスカード」)10月23日113万3,070件(発行総数 約380万件のうち。流通済みカード 約57万件/未流通カード 約56万件)モスカード番号(16桁)、PIN番号(6桁)、残高情報。個人情報は含まない。流出したカードのPINを強制変更。発表時点で、本件によるお客様被害の問い合わせは届いていない公式・適時開示(PDF)

ペイクラウドHDの142万4,748件と、モスフードサービスの113万3,070件は、発表した会社も数え方も違います。モスカードの件数が142万件の内数かどうかは、公式の発表には書かれていません。件数を足したり引いたりして、ほかの企業の分を割り出すことはしていません。

モスカードの件は、日本経済新聞や朝日新聞なども報じています[報道:日本経済新聞]。

カードを持っている人がやること

モスカードを持っている人

モスフードサービスは、次のように案内しています[モスバーガー公式サイト]。

  1. 店頭・ネット注文・「お席で注文」はそのまま使えます。ただし、PINが変わったため、Webでの残高照会、公式アプリへの新規登録、ネット注文での「モスカード」によるゲスト購入ができない場合があります。そのときは下の窓口に連絡します。
  2. 利用履歴を確かめる:覚えのない利用(チャージ額の引き去りなど)がないかを見ます。気になる点があれば窓口に問い合わせます。
  3. 問い合わせのとき:簡単な本人確認(利用店舗や残高など)を求められる場合があります。

モスカードお問い合わせ専用窓口(受付時間 9:00〜22:00):10月26日(月)までは 03-3496-8322、10月27日(火)以降は 0120-395-126(フリーダイヤル)。番号は必ず公式ページで確かめてからかけてください。

ほかのお店のプリペイドカードを持っている人

偽のメール・SMSに注意

流出したのはカード番号・PIN・残高で、メールアドレスや電話番号は含まれていないとされています。それでも、話題になった事件に便乗して「カードの再登録が必要です」「残高を保護するためPINを入力してください」などと誘う偽のメールやSMSが出回ることがあります。メールやSMSのリンクからカード番号やPINを入力しないでください。確かめるときは、お店の公式サイトやアプリを自分で開きます。

ハウスプリペイド・独自Payを導入している事業者がやること

自社のプリペイドカードやポイントを、Value Cardのような外部の仕組みで運営している事業者向けです。発表の内容と、モスフードサービスが挙げた再発防止策をもとに整理しました。

  1. 提供元からの連絡を確かめる:バリューデザインは、不正アクセスを確認した一部の導入企業に個別に報告しているとしています。自社が対象かどうか、対象のID・件数・期間を提供元に確認します。
  2. 不正利用の確認:対象期間の取引で、短時間に多数のカードが使われていないか、残高照会やWebチャージに不審なまとまりがないかを見ます。
  3. PIN変更や再発行の方針を決める:モスフードサービスは流出分のPINを強制的に変えました。変えると残高照会やアプリ登録に影響が出るため、利用者向けの案内と問い合わせ窓口をあわせて用意します。
  4. 未流通カードの扱い:店頭や倉庫にあるまだ売っていないカードの番号も流出の対象になり得ます。販売前に使えなくするか、PINを変えるかを提供元と決めます。
  5. 利用者への告知:何が漏れて、何が漏れていないか、利用者が何をすればいいかを書きます。偽メールへの注意もあわせて書きます。
  6. 委託先の管理を見直す:モスフードサービスは、委託先のサーバー・システムのセキュリティ水準の再検証、API経由の不正アクセス対策の強化、簡単なパスワード設定の制限、管理アカウントの接続元IPアドレスの制限、監視体制の強化を挙げています[モスフードサービス(PDF)]。自社の管理画面のアカウントやパスワード、接続元の制限も確かめておくと安心です。

今回、ペイクラウドHDは個人情報は「該当なし」としています。ただ、自社のシステムでカード番号と会員情報を結びつけて管理している場合など、事情によって扱いが変わることがあります。個人情報保護委員会への報告が要るかどうかは、個人情報保護委員会のページで確かめてください。

PHPの脆弱性(php2shell)との関係

このサイトでは、10月21日に公表されたPHPの脆弱性「php2shell」を追っています。今回の件について、公式の発表から分かることは次のとおりです。

このため、この記事では今回の件をPHPの脆弱性と結びつけていません。公式の続報で原因がくわしく出たら更新します。同じ時期の別の件として「フューチャーショップへの不正アクセス」もまとめています。

よくある質問

モスカードの名前や住所も漏れたのですか?

モスフードサービスは、流出した情報に氏名、住所、電話番号、クレジットカード情報などの個人情報は含まれていないとしています。漏れたのは、カード番号(16桁)、PIN番号(6桁)、残高情報です。

モスカードの残高は減っていませんか?

モスフードサービスは、発表時点で本件によるお客様被害の問い合わせは届いていないとしています。念のため、利用履歴に覚えのない引き去りがないかを確かめてください。ペイクラウドHDは、発行済IDの不正利用のおそれには対処済みで、不正利用による実被害はないとしています。

モスカードは今までどおり使えますか?

店頭、ネット注文、「お席で注文」での利用は問題ないとされています。Webでの残高照会、公式アプリへの新規登録、ネット注文でのゲスト購入ができない場合は、専用窓口に連絡してください。

自分のPINを変える必要はありますか?

モスカードの場合、流出したカードのPINはモスフードサービスが強制的に変更しています。ほかのお店のカードは、そのお店の案内に従ってください。

ほかにどのお店のカードが対象ですか?

10月25日 21:10ごろの時点で、モスフードサービス以外の導入企業の公表は確認できていません。公表を確認できたら一覧に足します。

原因はPHPの脆弱性ですか?

公式の発表は「Webサーバーの脆弱性」としていて、PHPの記述はありません。くわしくは上の説明をご覧ください。

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