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【10/22最新】2026年10月の不正アクセス・情報漏えい 国内まとめ(随時更新)|PHPの脆弱性と関係する件・しない件を分けて一覧

公開:10/22 20:40更新 (日本時間)Webセキュリティ診断センター 編集部約26分で読めます
【10/22最新】2026年10月の不正アクセス・情報漏えい 国内まとめ(随時更新)|PHPの脆弱性と関係する件・しない件を分けて一覧
#不正アクセス#情報漏えい#まとめ#PHP
この記事の要点(確認時刻:2026年10月22日 20:40ごろ)
  • 2026年10月は、国内で不正アクセスや情報漏えいの発表が続いています。この記事では、10月に最初の発表が出た件を中心に、各組織の公式発表を開いて確かめたものを一覧にしました。
  • 10月21日に修正版が出たPHPの脆弱性(php2shell)と関係するかどうかは、本人の発表に書いてあるかどうかで分けています。確認時点で、自社の被害の原因を「PHPの脆弱性」と発表しているのはバルテックだけです。ほかの件の発表には、PHPの記載がありません。
  • 今月目立つのは、メール配信(ブラストメール、SpeeCAN RAIDEN)やクラウド(IDCFクラウド)など、多くの会社や自治体が使うサービスが攻撃され、利用者側から次々に発表が出る形です。
  • 件数の大きい発表には、カプコン(CAPCOM ID 11,774,247件)、ソースネクスト(22,519,960件)、ふるさとチョイス(4,454,097件)などがあります。「漏えいした」と「漏えいした可能性」は意味が違うので、表ではその区別も残しています。

この記事は、各組織の公式発表(自社サイトのお知らせ、適時開示のPDFなど)をもとにまとめています。公式のページを開けなかった件だけは報道で補い、「報道」と書いています。SNSの投稿は事実として扱っていません。件数や状況は続報で変わるので、自分に関係する件は、必ずその組織の最新の発表で確かめてください。この記事も、続報が出たら更新します。

最新情報(随時更新)

2026年10月に国内で発表された主な不正アクセス・漏えいを週ごとに並べた図。10月1日〜7日は第一生命、infoQ、IDCFクラウド、戸田建設。8日〜14日はローソン、第一興商の委託先、ブックオフ、SpeeCAN RAIDEN。15日〜19日はソースネクスト、バーガーキング、日本経済新聞社、ふるさとチョイス。20日〜22日はブラストメール、デスクトップクラウド、バルテック、カプコン。PHPの脆弱性を原因と発表したのはバルテックだけ
図1 10月に発表された主な件(最初の発表日順)。全件は下の一覧表にあります

一覧表(10月に発表された件)

10月1日から22日までに最初の発表が出た件を、新しい順に並べました。件数と言葉づかいは発表のとおりです。「PHPとの関係」は、その組織自身の発表に書かれていることだけを載せています。

公表日組織何が起きたか漏れた(可能性のある)情報件数PHPとの関係出典
10/22フジッコキャンペーンの応募受付を委託している会社のサーバーが不正アクセスを受けた(10/21に判明)。該当の応募受付とサーバーを停止。会員向けの応募フォームは別環境で影響なし2026年5月以降の2つのキャンペーンで、非会員向けフォームから応募した人の個人情報。公開や不正利用は確認されていない報道では約1万5,500件(公式の告知では未確認)記載なし公式(PDF)
10/22カプコン(CAPCOM ID)第三者の不正アクセスで、顧客情報の一部が漏えい。196件でパスワードが不正に変更されていたメールアドレス、アカウント作成日時・最終ログイン日時・IPなど。43件は生年月日・性別・国・ニックネームも。パスワードの漏えいは確認されていない11,774,247件(全世界)記載なし公式・まとめ記事
10/22バルテック(MOTシリーズ)顧客情報の流出とみなされる事実を確認。20を超えるサービスを停止調査中記載なし関係あり(「PHPの脆弱性を標的としたサイバー攻撃」)公式・まとめ記事
10/22沖縄県(行政資料目録システム)17日に不正アクセスを確認し、通信を遮断。被害の報告はなく、個人情報が漏れた可能性もないと説明なし(県の説明)—否定(PHPの脆弱性によるものではないと説明)報道:沖縄タイムス
10/21ブラストメール(ラクスライトクラウド)と利用組織API用サーバー2台に侵入され、販売管理システムとサービスのデータベースからデータを持ち出された。利用組織の発表が続いている(新潟日報社 最大約25万3,000人、JR四国 最大約3万件など。下で詳しく)契約者の会社名・担当者名・電話・メールなど。一部の契約者は配信先リストも記載なし(全契約者)記載なしラクス第2報
10/21お名前.com デスクトップクラウド(GMO)一部のサーバーに不正なプログラムが置かれた。取引口座で不正な操作があったと利用者から報告サーバー内の情報(取引ツールに保存したログイン情報など)26,739件(サーバー)記載なし公式第2報・まとめ記事
10/21沖縄ツーリスト(レンタカー等の予約サイト)社外からの問い合わせを受けて調べ、個人情報が漏えいした可能性を確認。18日から外部アクセスを遮断調査中特定できていない記載なし報道:琉球新報(公式サイトはメンテナンス中)
10/21大阪大学システム運用の委託先NECの管理下で、第三者が個人情報を含むファイルをダウンロード。NECは契約に基づかずクラウドでファイルを共有し、消すべきファイルも残していた。大学のシステムへの不正アクセスの跡は確認されていない氏名、個人ID、大学のメールアドレス、学籍番号または職員番号、所属77,851人記載なし公式
10/20NEC開発・保守の委託先がサイバー攻撃を受け、盗まれた正規アカウントで顧客のシステムに不正アクセス。サーバー内のファイルの暗号化や、共有用クラウドのファイルの漏えいを確認記載なし記載なし記載なし公式
10/20フジテレビ(番組宣伝システム)不正アクセスで、メディア関係者の個人情報が漏えいした可能性。視聴者の情報は登録されていない氏名、会社名、メールアドレス等最大730件記載なし公式
10/19トラストバンク(ふるさとチョイス)10月17日の不正アクセスで、会員の個人情報が外部に流出したことが判明氏名、メールアドレス、住所、電話番号、ハッシュ化されたパスワード、寄附控除試算額4,454,097件記載なし公式
10/19ユミルリンク(メール配信サービス)一部のサーバーへの不正アクセスで、個人情報が外部に持ち出されたことを確認。「プログラムの脆弱性」から認証情報を取られたメールアドレスを含む情報延べ約900万件(試算)記載なし公式
10/19ニフティ(回線申込の管理システム)社内の管理用ツールに不正なアクセス。第2報で対象を@nifty光だけに絞り込み会員ID、氏名、性別、生年月日、住所、電話番号最大18,000件(第1報の最大542,513件から修正)記載なし公式第2報
10/19クリプトン・フューチャー・メディア(SONICWIRE、D2R)不正アクセスで、会員情報などが閲覧・取得されたことが判明氏名、メールアドレス、ハッシュ化されたパスワードなど。カード情報は持っていないSONICWIRE会員 362,137件ほか記載なし公式
10/19Z会(Z-ID)不正ログインで、パスワードを勝手にリセットされた氏名、メールアドレス、Z-ID(閲覧された可能性)13件記載なし公式
10/19パピレス(Renta!)外部からの不正なアクセスの可能性があるとして、サービスを一時停止記載なし記載なし記載なし公式
10/17リクルート(カーセンサーnet、C-MATCH)不審なアクセスを検知してサービスを停止。利用者や取引先の情報が漏えいした可能性主に氏名・住所。販売店関係者は電話番号やログインIDなど。パスワード・カード情報は含まない最大3,709,551件記載なし公式
10/16日本経済新聞社システム開発に使うクラウドサービスの認証情報を盗まれ、個人情報が漏えい氏名・メールアドレス・住所・電話番号・生年月日のいずれかを含むもの約15万件、識別子のみ約168万件約183万件記載なし公式
10/16ファンケル・アテニア(ECサイト)10月3日〜10日の不正アクセスで、会員情報の一部が外部に漏えいメールアドレス、氏名、住所、電話番号、生年月日など。決済情報は含まないファンケル 393,785件、アテニア 441,162件記載なし公式
10/16日本郵政(ゆうID)外部で漏れたID・パスワードのリストを使った不正ログイン。会員情報が閲覧された可能性氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレスなど249アカウント記載なし公式
10/16岩井コスモ証券(委託先トレードワークス)委託先システムへの不正アクセスで情報が漏えい。売買管理システムも攻撃され、7口座で本人の意図しない注文、うち5口座で約定(取引前の状態に戻した)氏名、メールアドレスなど4,975名(第2報。第1報は4,611名)記載なし公式第1報・第2報は報道:INTERNET Watch
10/15ソースネクスト会員情報取得APIを不正に使われ、顧客情報が流出メールアドレス、パスワード、氏名、住所、電話番号、生年月日など。カード情報は含まない22,519,960件記載なし公式
10/15ビーケー・ジャパン(バーガーキング公式アプリ)会員情報の管理システムに不正アクセスがあり、会員情報が外部に漏えい会員ID、メールアドレス、氏名、電話番号、生年月日など。カード番号は持っていない約1,118万件記載なし公式
10/15NTTソルマーレ(コミックシーモア)会員情報の管理システムに不正アクセスがあり、会員情報が流出。サービス停止中メールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、ニックネーム、生年月日、性別会員DB 319件、システムログ 最大約420万件記載なし公式第4報
10/13アルカディア(SpeeCAN RAIDEN)と利用自治体自治体の防災メールなどに使われる一斉配信サービスに不正アクセス。不正なメール1,423,428通が送られた。下で詳しく連絡先の名前、メールアドレス、電話・FAX番号など最大推定でメールアドレス約3,136,000件ほか記載なし(侵入経路の説明に)公式
10/9ブックオフ会員管理システムへの不正アクセスで、会員情報が外部に漏えい氏名、生年月日、メールアドレス、電話番号、住所、パスワードのハッシュ値など6,427,735件(6,383,279人)記載なし公式第2報
10/9ディップ(バイトル、バイトルNEXT)「仕様の不備」を突いた海外からの不正アクセスで、会員のメールアドレスが漏えいメールアドレスのみ最大3,885,771件記載なし公式
10/8ローソン(ローソンID)アプリ関連のシステムが不正に使われ、個人情報の一部が漏えいメールアドレス、氏名など。アプリ予約の26件はカード番号の一部も2,155,345件記載なし公式
10/8第一興商(委託先 日本コロムビアグループ)委託先の従業員の端末がマルウェアに感染し、情報が漏えいした可能性を否定できない氏名(登録名)、性別、生年月日、メールアドレス、電話番号約8,724,000件記載なし公式
10/7IDCフロンティア(IDCFクラウド)と利用企業ランサムウェア攻撃で仮想サーバーが停止。仮想サーバー内のデータの外部流出はなかったと判断。下で詳しくポータルに登録された48社の企業名・ID・通知先メールアドレスなどに不正な照会影響を受けたのは495の企業・自治体記載なし公式第6報
10/7戸田建設支払い管理システム等への不正アクセスで、取引先と従業員の情報の一部が漏えい取引先担当者のメールアドレス、取引データ、従業員の氏名・住所など取引先メール最大7,200件、従業員4,778名ほか記載なし公式
10/6シチズン時計(委託先のフォーム提供元)問い合わせフォームの提供元のサーバーに不正アクセス。情報が漏えいした可能性氏名、住所、電話番号、メールアドレス等約10万名分記載なし公式
10/6楽天モバイル(楽天ドライブ)管理用アカウントの認証情報を盗まれ、情報が取得・閲覧されたアカウント名、暗号化パスワード、保存データ(写真・文書等)保存データ15,382件ほか記載なし公式
10/5GMOリサーチ&AI(infoQ)「ソフトウェアの脆弱性」を突かれて侵入され、会員の個人情報が持ち出された。ポイントの不正交換611件氏名、生年月日、メールアドレス、住所、電話番号、暗号化されたパスワードなど894,082件記載なし公式第2報
10/5ホテルリゾートイン石垣島(リゾーツ琉球)外部の宿泊管理システムへの不正アクセスで、宿泊客の情報が不正に取得された氏名、住所、連絡先、国籍、生年月日など。一部はパスポート画像17,170人記載なし報道:セキュリティ対策Lab
10/2第一生命保険(人事システム)従業員向け人事システムへの不正アクセスで、従業員・退職者の情報が流出した可能性。顧客情報への不正アクセスは確認されていない従業員番号、氏名、住所、電話番号、所属など約12万名記載なし公式
10/2JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)外部機関からの情報提供で、情報システムへの不正アクセスが分かった。個人情報が漏えいした可能性メールアドレスのみ役職員約1,100件、機構外約7,400件記載なし公式
10/1らしんばん9月14日〜16日の不正アクセスで、顧客情報の一部が漏えいした可能性氏名、住所、電話番号、メールアドレス、買取時の口座情報など。カード情報・パスワードは漏えいなし記載なし記載なし公式

表の日付は、その件で最初の発表が出た日です。件数は最新の発表の数字に合わせています。

PHPの脆弱性と関係する件

PHPは、Webサイトやクラウドサービスを動かすプログラムの言語です。10月21日に、PHP本体の重大な脆弱性(通称「php2shell」、CVE-2026-109618 / CVE-2026-109619)を直した修正版が公開されました。中身は「php2shell解説」にまとめています。

本人が「PHPの脆弱性」を原因と発表した件:バルテック

クラウド電話「MOT/TEL」などを提供するバルテックは10月22日、第三者の不正アクセスで、同社が持つ顧客情報の流出とみなされる事実を確認したと発表しました。原因は「PHPの脆弱性を標的としたサイバー攻撃」と書いています[バルテック告知]。

止まっているサービスや利用企業がやることは「バルテックへの不正アクセスのまとめ」にあります。

本人がPHPとの関係を否定した件:沖縄県の行政資料目録システム

沖縄タイムスによると、沖縄県の行政資料目録システムで10月17日に不正アクセスが確認され、県はすべての通信を遮断しました。県は、被害の報告はなく、個人情報が漏れた可能性もないと説明しています。侵入経路は調査中ですが、PHPのシステムの脆弱性によるものではないとしています[報道:沖縄タイムス]。県のサイトでは、この件の告知を確認できていません。

PHPへの対応を別に告知しているが、被害の原因とは結びつけていない件

「同じ時期だからPHPが原因」とは言えません
一覧の件の多くは、php2shellの修正版が出た10月21日より前に起きています。たとえばSpeeCAN RAIDENは10月11日、IDCFクラウドは10月7日、デスクトップクラウドの調査開始は10月19日です。発表に書かれていない原因を、この記事で推測して書くことはしません。PHPの件で予防のために止まった国内のサービスは「PHP脆弱性で停止・メンテナンス中の国内サービス一覧」にまとめています。こちらは被害ではなく、予防のための停止です。

それ以外の件(業種別)

PHPの記載がない件を、業種や経路ごとに短くまとめます。どれも、その組織の発表に書かれている範囲の説明です。

メール配信サービス:ブラストメール(10月21日〜)

ラクスの子会社ラクスライトクラウドが提供するメール配信サービス「ブラストメール」で、外部の第三者がAPI用のサーバー2台に侵入し、販売管理システムとサービスのデータベースからデータを持ち出しました。持ち出されたのは、すべての契約者の会社名・担当者名・電話番号・メールアドレスなどで、一部の契約者は配信先リストなども漏えいしたとしています。サービスは10月21日0:30から止まっています[ラクス第2報]。

メルマガの配信に使っていた組織から、次のような発表が出ています(公式で確認したもの)。

ほかにも多くの利用組織が告知を出しています。セキュリティ対策Labが利用組織の告知を集めています[報道:セキュリティ対策Lab]。なお、同じ時期に発表されたユミルリンクのメール配信サービスの件は、別の会社の別のサービスです。両社の発表に、互いの件への言及はありません。

自治体の防災メール:SpeeCAN RAIDEN(10月13日〜)

アルカディアが運営する一斉配信サービス「SpeeCAN RAIDEN」で、10月11日16:30に不正アクセスが疑われる挙動が確認されました。第12報では、メディアサーバーのディレクトリパストラバーサル(本来見られないファイルを読み出せてしまう欠陥)から設定ファイル内の鍵を取られ、データベースの改ざんなどに至ったと説明しています。不正なメールは1,423,428通送られ、フィッシング詐欺が疑われるとしています。漏えいの可能性がある件数は、最大推定でメールアドレス約3,136,000件、電話番号約105,000件、FAX番号約15,000件です。10月15日に全サービスの復旧を発表し、最新は10月22日の第20報です[SpeeCAN RAIDEN公式ブログ]。

防災メールなどに使っていた自治体からも、告知が出ています。沖縄県内では、浦添市・南風原町・宮古島市が公式に告知しています[浦添市・南風原町・宮古島市]。琉球新報は、糸満市や、アルカディアの災害時安否確認サービスを使っていた沖縄県警にも影響があると報じています。沖縄県の河川情報システムに登録されたメールアドレス75件が漏えいした可能性も報じられていますが、アルカディアとの関係は記事に書かれていません[報道:琉球新報]。これらは、どれもphp2shellの修正版が出る前の件です。自分の住む自治体の防災メールに登録している人は、自治体のお知らせを確かめてください。

クラウド:IDCFクラウド(10月7日〜)

IDCフロンティアのクラウド「IDCFクラウド」の東日本リージョン1で、ランサムウェア攻撃により仮想サーバーが止まりました。影響を受けたのは495の企業・自治体です。同社は、仮想サーバー内のデータについて「外部へのデータの流出はなかったと判断」しています。一方、管理ポータルでは48社の登録情報への不正な照会を確認しました[IDCF第5報・第6報]。

このクラウドをメール配信などに使っていた会社も発表しました。JR九州(Web会員のメールアドレス最大約130万件)、JR東海(通販サイト約1万5,000件)、ジュン、ピーチ・ジョンは、いずれも続報で「漏えいの事実は確認されなかった」などと説明しています[JR九州・JR東海・ジュン・ピーチ・ジョン]。JR東日本も、えきねっと会員などについて漏えいはなかったと判断したと報じられています[報道:ScanNetSecurity]。

ゲーム・エンタメ・電子書籍

小売・EC・会員サービス

旅行・交通

金融・証券

企業の社内システム・委託先

大学・公的機関

9月に始まり、10月に続報が出た件

最初の発表は9月ですが、10月に件数などの続報が出たものです。一覧表には入れていません。

「攻撃の試み」と「被害」の違い・発表の読み方

不正アクセスの発表は、言葉の選び方で中身がかなり変わります。ニュースの見出しだけで判断せず、本文の次の部分を見てください。

発表の言葉で分かる段階の図。段階1 アクセスを試みた形跡(例:マネックス証券)、段階2 不正アクセスを確認(例:沖縄県の行政資料目録システム)、段階3 漏えいの可能性・おそれ(例:JR四国)、段階4 漏えいを確認(例:カプコン、ふるさとチョイス)。続報で段階が変わることもある
図2 発表の言葉と、どこまで起きたかの目安

「試み」「形跡」と「被害」は別もの

同じ会社でも、続報で書き方が変わります。JR九州のように、最初は「漏えいした可能性」と発表し、あとから「漏えいの事実は確認されなかった」と改めることもあります。ニフティのように、対象を最大542,513件から18,000件に絞り込む例もあります。逆に、デスクトップクラウドのように「悪用された事実は確認されておりません」から「不正に利用された可能性がある」へ変わることもあります。

「件数」は何を数えているか

件数が人数なのか、アカウント数なのか、メールアドレスの数なのか、延べ件数なのかは、発表ごとに違います。退会した人の情報を含めていることもあります。大きな数字ほど「最大で」「推定」の言葉が付いていないか確かめてください。

「委託先」「利用していたサービス」経由の件

今月は、会社そのものではなく、メール配信や予約、クラウドの委託先・利用先のサービスが攻撃され、その利用企業が次々に発表する形が目立ちました。この場合、元の事業者と利用企業の両方から発表が出ます。同じ件を数えていないか、どちらの発表が新しいかに気をつけてください。

「PHPの記載なし」は「PHPと関係ない」ではない

この記事の表で「記載なし」としているのは、発表の本文にPHPやphp2shellの言葉がない、という意味です。関係がないと確かめたわけではありません。反対に、「PHPの脆弱性」と書いてあっても、それがphp2shellだとは限りません。PHPにはほかの脆弱性もあります。

自分の情報が漏れたかもしれないときにやること(個人)

  1. 公式の発表を自分で開く:会社のサイトのお知らせ欄を、ブックマークや検索から開きます。届いたメールやSMSのリンクからは開きません。
  2. パスワードを変える:会社がパスワードの変更を求めている場合は、すぐに変えます。同じパスワードをほかのサービスで使い回していたら、そちらも変えます。
  3. 二段階認証を設定する:使えるサービスでは、SMSや認証アプリのコードを使う二段階認証や、パスキー(指紋や顔認証でログインする仕組み)を設定します。
  4. カードの明細を見る:カード情報が含まれる発表なら、明細に覚えのない請求がないか確かめ、あればカード会社に連絡します。
  5. 便乗した詐欺に気をつける:漏えいの発表のあとは、その会社を名乗るメール・SMS・電話が増えます。「補償の手続き」「本人確認」と言ってパスワードやカード番号を聞かれても、答えずに公式の窓口へ自分から問い合わせます。
  6. 被害が出たら相談する:お金の被害や不正ログインがあれば、その会社の窓口と、住んでいる都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に相談します。困ったときは消費者ホットライン(188)も使えます。

会社として確認すること

委託先・利用しているサービスの一覧を作る

今月の件の多くは、メール配信、予約、クラウド、システム開発などの委託先が入口でした。自社のお客様の情報をどのサービスに預けているかを一覧にし、それぞれの事業者がお知らせを出していないかを見てください。一覧があると、事業者から連絡が来たときに、何を誰に伝えるかをすぐに決められます。

自社のサイトに入り込まれていないか確かめる

自社でWebサイトやWordPressを公開しているなら、PHPを含むソフトを最新の修正版にしたうえで、侵入の跡がないかを確かめます。見るところは「サイトが乗っ取られていないか確かめる方法」にまとめています。PHPの脆弱性(php2shell)そのものは「php2shell解説」で説明しています。

今の攻撃の傾向を知っておく

内閣官房の国家サイバー統括室は10月9日、Webシステムの脆弱性の悪用、委託先などサプライチェーンを通じた侵害、データ管理の甘さによって、大量の個人情報が盗まれる事案が続いているとして、事業者に対策を求めました。パッチをすぐ当てる、サポートが終わった製品を使わない、多要素認証を入れる、委託先に渡す情報を最小限にして業務が終わったら消させる、不要な情報を消す、といった内容です[国家サイバー統括室]。

セキュリティ企業のマクニカは、国内のWeb侵害の公表が2026年は10月6日時点で119件あり、そのうち81件が7月以降だと分析しています。ECサイトだけでなく、会員サービスや予約システムなど、公開しているWebシステムが広く狙われているとしています[マクニカ]。

漏えいが分かったときの報告先

よくある質問

最近の不正アクセスは、全部PHPの脆弱性(php2shell)が原因ですか?

いいえ。確認時点で、自社の被害の原因を「PHPの脆弱性」と発表しているのはバルテックだけです。そのバルテックも、php2shellとは書いていません。一覧の多くの件は、php2shellの修正版が出た10月21日より前に起きています。

wp2shellとphp2shellは同じものですか?

別のものです。wp2shellは、2026年7月にIPAが注意を呼びかけたWordPress本体の脆弱性の通称です[IPA]。php2shellは、10月21日に修正版が出たPHP本体の脆弱性です。

自分の情報が含まれているか、どうやって確かめればいいですか?

その組織の公式の発表と、本人宛ての連絡で確かめます。多くの組織は、対象の人にメールなどで個別に連絡するとしています。ただし、そのメール自体を装った偽メールもあるので、メールのリンクは開かず、公式サイトを自分で開いて確かめてください。

「漏えいの可能性」なら、何もしなくていいですか?

パスワードの変更を求められていれば、変えておきましょう。同じパスワードをほかのサービスでも使っていれば、そちらも変えます。可能性の段階でも、メールアドレスが漏れていれば、偽メールが届くおそれはあります。

この一覧に載っていない件はありますか?

あります。10月は発表の数がとても多く、この記事では公式の発表を開いて確かめたものを中心に載せています。小さな件や、確かめきれなかった件は入れていません。分かったものから追加します。

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参考にした情報

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